人気ブログランキング | 話題のタグを見る

あれよ、星屑

あれよ、星屑_b0067356_15140833.jpeg
あれよ、星屑_b0067356_15193661.jpg
時は流れつづけている。

書肆梓とCloud 9 coffee roasterを、細々と続けている日々だ。

https://shoshiazusa.official.ec/


# by omattiwan | 2021-07-23 15:12 | 文学

『きみの砦から世界は』小山伸二(思潮社)

『きみの砦から世界は』小山伸二(思潮社)_b0067356_02430292.jpg
ひきつづき絶賛発売中です。
http://www.shichosha.co.jp/newrelease/item_1189.html

# by omattiwan | 2015-03-15 02:43 | 現代の詩

三月に

ながらく、ここを不在にしていました。
久しぶりの詩を、ここに。

」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

三月に


眠れる姉に雨が降る
しずかな森のように
濡れていく雫のひかりを
そっとこの手のひらにうけとめて
眠れる姉の鼓動の丘に
この胸をうずめる

古代の恩寵を抱きしめたい
わたくしの三月の暦
恋人に詩を送る夜のしじまに
獣たちが息をひそめている
三月に_b0067356_233830.jpg



# by omattiwan | 2015-03-15 02:33 | 現代の詩

cloud 9 exhibition

素敵なサンドウィッチ食堂「レフェクトワールRéfectoire」(渋谷区神宮前6-25-10 3F)で、
8月5日~22日まで個展を開きます(11時〜21時)。

クラウドにことばが浮かんでいる時代。
空には五線譜のような電線と雲。
雲はとりとめのないお喋りのように
楽譜に載ることのない音楽のように
次から次へと生まれては
終結しないで流れていきます。

小山伸二とmhk*のユニット、cloud nine(クラウドナイン)は、詩と写真のコラボレーションを試みています。

■クラウドナイン活動履歴
2012.10 私家版『雲の恋人』作成
2012.10トークイベント「ことばの種、ふくらむパン そしてsomething good~パンと詩のある風景を巡って」(西宮・ameen's oven)
2013.3トークイベント「aとbと詩企画 vol.1 コーヒーと詩」(西宮・bin ジャムと珈琲あるいはその他)

■詩 小山伸二(Shinji Oyama)
詩人。福間塾に参加。詩集『ぼくたちは、どうして哲学するのだろうか。』『雲の時代』(いずれも書肆梓)

■写真 mhk* / 清水美穂子 (Mihoko Shimizu)
ブレッドジャーナリスト。「All About」「Bread Journal」。著書に『日々のパン手帖 』(メディアファクトリー)他。

cloud nine
https://www.facebook.com/cloudnine.sm

Réfectoire
cloud 9  exhibition_b0067356_041612.jpg
http://allabout.co.jp/gm/gc/401781/
# by omattiwan | 2013-08-06 00:04 | 現代の詩

五月の詩を、ここに。

五月に書いた詩を、ここに。



夜中にここで  


テレビを見つめているひとがいる
映像のなかで職人が物を作っている
見つめているひともまた
ことばで物を作る
そして、どちらも影を作ることもできる
心慰めてくれる優しい影を作ることができる

ぼくは詩を書く
テレビを見つめているひとにうながされ
人生の物語を
きちんと並べて登っていけるように
丘を作る

ぼくの詩は
映像のなかの職人さんや
テレビを見つめているひとの書くことばのように
だれかの心を慰める優しい影に
なれるのかしら

そんなことを考える五月
ちょっとだけうきうきしてくる季節
詩をもっと
書きたくなってくる五月

肩のちからをぬいて
しずかに浮かび上がってくることばを掬う
職人さんのように
テレビを見つめているひとのように
ぼくも詩を書こう

朝に夜に昼に
詩を書こう
そして世界に届けよう
ぼくの詩が
きっといつか誰かを慰める優しい影になるまで




旅の報告


恋人からの便り
短い旅の話が送信される
空からのひかりが届いてゆるれ
みどりの野草
遠くから犬たちの嬉しい声
駆ける体が生きる時間を刻んでいく
すべてがいとおしい

ぼくはひとり
恋人からの報告に
こころときめながら
勝手にウイスキーで乾杯
恋人とその家族の素敵な休暇に
祝杯を



旅するあなた


空の時刻はいまどのあたり
天体はめぐり潮風が吹くあたり
あなたの旅はつづく

ひとはだれも寄る辺なき航路を旅している
どこから来て どこへ行くのか
知ることもない旅のさなか

あなたがつくる月の影
凛としたその香り立つ影のかたちを
世界はそっと見つめている

あなたの声が聞こえるところ
あなたの紡ぐ言葉を読める場所
旅するあなたの消息

きっといつまでも
きっとどこまでも
ぼくは見届け、耳を傾けている



雲恋、あるいはクラウドナイン


防波堤の向こうから宵闇はせまってくる
潮風まじりの声も遠くから聞こえて
自転車の音 市場の匂い
ぼくたちは空を見上げる

たくさんの死んだひとたちが見守る
たくさんの生きているひとたちの五月を
灯台の明かりのように巡る世を
しずかに
しずかに満ちて来る時刻

母さん、父さんも帰っているころ
いろんな手をつないで
この道を 高い空からみている気配
ああ 生きてるぼくたち
生きているひとたち
いましばらくは ここに
ここにいる宵闇のようにたちこめて
# by omattiwan | 2013-06-06 01:48 | 現代の詩